1. BL

エトランゼシリーズ

海辺のエトランゼ書影
海辺のエトランゼ書影

レビュー

  1. かわいい
    • 主人公は過去の経験でひねくれてるけどやっぱりかわいい
    • 主人公カップルがイチャツイている描写が幸せいっぱいという感じで最高
  2. 優しく、ゆっくり進むストーリー
    • 登場人物が全員いい人で、悪意を持って行動する人がでてこない
    • 他人の悩みを軽視せず、正面から向き合うシーンが頻繁に描かれている
    • 展開に不安を持たず、安心して読める
    • ストーリーの進みが遅いのでその分描写が丁寧で、登場人物の心情が読み取りやすい
    • その時点での語り手の視線でのコマが頻繁に挿入されるため容易に感情移入できる
  3. 現実的な舞台設定
    • 現実との乖離が小さく、登場人物が抱える問題も現実的なもの
    • 登場人物を身近にいそうな存在として感じられる

作品紹介

基本的には同性愛者の駿と異性愛者の実央の間の恋物語。2020年8月現在で連載中。

両想いになるまでは早いけれど、その後がなかなか進まなかったり、駿の実家との確執が描かれたり、次々と発生する新しい問題・対立が順番にクローズアップされてゆく。最近では主に駿の歳の離れた弟・ふみに焦点が当てられたストーリーが展開され、もはやカップルの物語ではなくなっている。ボーイズ・ラブの範疇を超えて、同性カップルが家族を形成することを描いた物語となっている。

駿は過去のことをひたすら引きずっているので実央との恋愛になかなか前向きになれないが、作中では同性愛を異端視するような描写は、駿を含む同性愛者の内心の描写を除いて他に存在しない。特に実央は駿の年齢も付き合ってから長いこと尋ねず、あまり色々なことを気にしない性格に描かれている。後から年齢差に気づいて驚いていた。(余談だけれど、駿は私とほぼ同い年なので、彼の将来の不安などがまったく他人事に見えない)

駿はとにかく不安を抱えがちで、楽天的な実央と対照的に描かれている。実央への想いもなかなか口にできず、それが実央の不安を煽る形になりがち。

駿の滞在先における同居人の絵理にも同性の恋人・鈴がいたり、主人公のいる環境はふたりの恋愛に対してかなり前向きなものとなっている。

出版社による紹介はこちら

海辺のエトランゼ

シリーズの一作目で、紀伊カンナ先生のデビュー作です。

https://www.amazon.co.jp/dp/4396783485

春風のエトランゼ

連載中の続編です。 2022 年 8 月現在、第 4 巻まで出版されています。第 5 巻は 2022 年 10 月 25 日発売予定です。

https://www.amazon.co.jp/dp/B074CGL4ND

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